非居住者が日本の不動産を売却する場合の源泉徴収と税務の基本
最終確認日:2026年8月31日
海外に居住する売主が日本国内の不動産を売却する場合、通常の売買手続きに加えて「日本の税法上、売主が非居住者に該当するか」「買主に源泉徴収義務があるか」を決済前に確認する必要があります。
1. まず税法上の非居住者かを確認する
国税庁によると、所得税法上の居住者は国内に住所を有するか、現在まで引き続き1年以上居所を有する個人です。それ以外の個人が非居住者となります。したがって、国籍だけで判定するものではありません。
2. 買主による10.21%の源泉徴収
非居住者等から日本国内の土地・建物等を購入し、その譲渡対価を支払う者は、原則として支払時に10.21%の所得税・復興特別所得税を源泉徴収します。法人だけでなく個人の買主も原則として対象です。
3. 居住用・1億円以下の例外
買主が個人で、自己または親族の居住の用に供するための不動産を購入し、譲渡対価が1億円以下の場合、その個人には源泉徴収義務がありません。
4. 源泉徴収税の納付期限
国内で支払った譲渡対価から源泉徴収した税額は、原則として支払月の翌月10日までに納付します。国外払いであっても、支払者が日本国内に住所・居所・事務所等を有する場合には源泉徴収が必要となる場合があり、その場合の納付期限は異なります。
5. 源泉徴収額と売主の最終税額は別
決済時に差し引かれる10.21%は、売主の最終的な譲渡所得税額そのものではありません。売主の取得費、譲渡費用、保有期間その他の条件を基に最終的な税額を計算し、日本で確定申告が必要になる場合があります。
実務チェックリスト
- 売主の税務上の居住区分を確認する
- 買主の源泉徴収義務と例外を確認する
- 決済明細に源泉徴収額を正しく反映する
- 納付期限・納付方法を決済前に確定する
- 売主側の申告や納税管理人等を専門家と確認する
本記事は一般的な制度情報であり、個別案件の税務・法務判断ではありません。
公的情報源・確認情報
2026-08-31 · 出典 4件 · 一次情報 4件